私自身がヒンディー語を学習する前に知っておきたかった特徴を書いてみます
※これは個人的な意見です。また私は言語学者ではありませんので正解不正解を求めてはいません。
目次
男性名詞女性名詞がある
これは名詞の目印です。男性が使うものと女性が使うものではありません。
男性名詞か女性名詞かによって表現が少し変わることがあります。
主語の性別によって動詞の形が変わる
例えば「大阪に住んでいます」という時
Main Osaka men rahata hun(主語が男性)
Main Osaka men rahti hun(主語が女性)
自分が男なら男性形だけ覚えれば良いというわけではありません。
なぜなら、自分以外の主語に対しても動詞を変化させなくてはならないからです。
語順は日本語にそっくり
Main Yukiko hun
私は です
基本的に語順が日本語にそっくりです。応用になってくると少しずつ、倒置や英語のような語順が出てくることもあります。
いろいろな地域の語彙が見られる
ヒンディー語はオリジナルの言葉もありますが、周辺の地域から伝わった言葉(借用語)も多いです。ウルドゥー語由来のものもあれば、アラビア語やペルシャ語などから伝わったものもあります。
会話をする時、どこの由来の単語か、いちいち覚える必要もないです。ただ由来が多いだけに同じ意味の単語が2つも3つもあったりします。会話レベルが目的であれば良く使われるものを確実に覚えておけば良いですし、言えるものと聞いて意味が分かるものがあっても良いと思います。
どんな時にどの単語を使うかを意識するものではありません
古い単語と新しい単語の存在
日本語にもあるように古い言葉と新しい言葉もあります。
ヒンディー語よりはるか昔の言語であるサンスクリット語の単語もちらほら見られます。最近の若者のヒンディー語にはたくさんの英単語も混じっています。
現代のインド人との実際の会話(映画などを含む)では古い単語のみで話している人は見たことがありません。
私はインド人を前にして授業で良い単語とされていた古い単語を言って笑われたり、ドン引きされた経験が少なくとも5回くらいはあります(笑)あとで他の先生にその話をしたら「そりゃ、彼らにとって古語で話してるようなものですからね」とあっさり言われてとても恥ずかしくなった記憶があります
1単語に含まれる意味が多い
1つの単語に複数の意味を含むものが多いです。さらに私たち日本人の感覚では絶対に異なる単語にしてほしいと思うものがたくさんあります。
例えば、ヒンディー語を始めて最初に驚くのは
कल(kal)という単語です。意味は「昨日、明日」
初めて聞いたときは昨日と明日が同じだなんて地球が終わってしまうような気がしました。
これだけではありません。頻繁に使われる単語に限って、全く異なると思ってしまう意味が一つの単語に含まれていることはよくあります。
そのような単語が出てきたらまずはイメージが大切です。頭を柔らかくすることで全く異なる意味にも何かしらの共通点が見えてきます。
おまけ:私のレッスンではキーとなる単語はイメージ図と意味をセットにして生徒さんに共有してみたりしています。このイメージを自分の中で作れるようになると強いです。一見、明らかに違う意味に見えてもそこに疑問を持ち続けることなく、いつの間にか使えるようになっていたりします。レッスンの中では何回か練習を重ねる中でイメージを形成している方が多いです。(できるとより楽しい☆)
デーバナーガリー文字という独自の文字
仕組みはアルファベットとほぼ同じでアラビア文字に比べると格段に覚えやすいです。
ただ、時々、文字が半分になることがあります!(笑)
最初は許せませんでしたが、すぐに慣れます。
また、古い単語にのみ頻繁に使われる文字があります。現代人と会話するだけの目的であればほぼ使いません(私のレッスンで文字を学ぶ方にはお伝えしています)
長い音がある
例えば「ア」だけではなく「アー」という音もあります。
最初は特に大げさに!伸ばしましょう!
ヒンディー語で良く使われる母音
अ | आ | इ | ई | उ | ऊ | ए | ऐ | ओ | औ |
ア | アー | イ | イー | ウ | ウー | エ | エィー | オー | アォー |
強く発音する音がある
例えば「ka」だけでなく「kha」のようなイメージで強く発音する音があります
ヒンディー語の話し方を強く感じたことはないですか?
この音が影響しています。
これもつい、気が抜けがちですが、なるべく大げさに発音しましょう!
よく強い音の練習をする際には口の前にティッシュなどの薄い紙を置いてそれをなびかせる勢いで言いましょうと言われます。あくまで一つの方法ですが。
発音練習に良いYoutuberさんはこちら☟
Pronounce India (会話のために様々なビデオあり。アルファベット表記付)
文章ではなく単語のみの発音練習は毎日やると飽きますが、時々こういったビデオを見ると日ごろの練習で発音への意識が高まるためおススメです!
インド人同士のチャットはほとんどアルファベットヒンディー
これまた私の体験談ですが、1年生の時にあるインド人に言われました。「チャットでデーバナーガリー文字、使うの?!」
その時はアルファベット表記の方法が分からす、悔しくて翌日の授業でインド人の先生に教えてくださいと言いました。そしたら即却下(泣)君はヒンディー語専攻なんだからしっかりデーバナーガリー文字を使いなさいと言われました
ただ、その後、出会ったインド人の90%以上はアルファベットヒンディーで打ってきました。最初はこれがつらかったです。また詳細を別で書きますが、そこには統一された表記方法がないのです、、、、。
例えば彼らの使う文字だとthiek もteekもあります。
のちに他の言語を少しやって気づいたのですが音声重視の言語にはよくある現象みたいです
漢字を中心に書き方重視の言語環境で育った私たち日本人には小さな壁です。
ヒンディー語にはアクセントがない
ヒンディー語を全く知らない人が聞くとまるでお経のように聞こえたりしたことありませんか?これもその原因の一つかもしれません。
私は以前、インド人とフランス人と同じ場所で住んでいたことがあります。
そこでインド人の友人の前で「フランス語は音楽みたいだけどヒンディー語はマントラ(呪文)みたいだよね。」と言って笑われたことがあります。
ですが、実際にそう感じたのです(笑)
これは覚えることが減ってラッキーくらいにとらえましょう!
ヒンディー語とウルドゥー語は文字以外ほぼ同じ
全く異なるのは文字だけ。
ヒンディー語ができればパキスタン人とも話すことができます。
時々、違いを強調する人もいますが、大概通じます。
私はパキスタン料理店でアルバイトをしたこともありますが会話するには全く困りませんでした。
最後に
ヒンディー語の正しさを追求するのか、ヒンディー語の柔軟さを受け入れるかは人それぞれです。どちらが良いとも言いません。
過度にどちらかに加担する必要はないかなあと思います
これはどんな言語でもありうることです。
もともとヒンディー語はサンスクリット語を分かりやすくしたもの。
ただ、言語は変化し続けるもの。
日本語においても元々は「食べられる」と言っていたことがいつの間にか「食べれる」という表現の方が使われるようになっています。
ある留学生が自分の国で日本語の先生の前で「食べれる」と使ったところ、「間違い」と言われたそうです。ただ、彼はその日の一言で日本でも常に「食べられる」と言い、いろいろな人によそよそしい顔をされたと言っていました。
言語学者でもない限り、そういった言語の変化を間違いとして強調し、得することはないでしょう
適度に変化を受け入れることは言語を実践するうえで欠かせません。
また、今回このようなまとめを書いた理由は自分自身がこのちょっとしたことを知らなかったために恥をかき、悔しい思いを経験したためです。
あくまで私の経験です。
こんなこともあるのか程度に受け止めていただけると幸いです。